「通訳日記 – ザックジャパン1387日の記録」を読んで

「通訳日記 – ザックジャパン1387日の記録」を読んで
   

今回は、前日本代表サッカー監督ザッケローニの通訳をしていた矢野さんが書いた「通訳日記」を読みました。
2010年にザッケローニ前監督が就任してから、W杯が終わる約4年間の記録が書かれています。
よくマスコミなどで報道される外面ではなく、実際に通訳として関わった日本代表の内面が細かく記載されいます。

私とザックジャパン

小学生の頃に、スポーツ少年団でサッカーをしていたこともあり、フランスW杯予選頃からサッカー日本代表を見てきました。
その中でも2010年のザックジャパンの4年間は、自分の中で真剣に試合を見たり、どうしたらいいのかを個人的に考えた期間です。
その理由は、南アフリカW杯での躍進と海外で活躍する選手が増えてきていたこともあり、今後の可能性がとても期待できると感じていたからです。

俗にいう私は「海外厨」で、ヨーロッパに行った時も各地のスタジアムツアーに参加をしたり、ブンデスリーガの試合を見たりしたぐらいです。
当然、海外のチームに所属している選手の動向もスポナビでいちいちチェックをしています。(今でもしていますが)
その選手たちが代表に多く選出をされているので、必然的に日本代表も好きになっていたのです。

正直、ザッケローニ前監督は就任するまでどんな監督なのか全く知りませんでした。
ただ、試合を見るにつれ段々と好きになっていました。
特に、守備的な戦術をとるのではなくボールを繋ぎながら攻撃をしていくコンセプトはとても気に入っています。
これは今のアギーレ監督も同じなのですが、守備的なサッカーではなく攻撃的なサッカーが見たいのです。

この本の良い所

「通訳日記」として書かれていますが、通訳の内容ではなく、ザッケローニ前監督と選手たちの会話が載っている所が面白いです。
普段はマスコミを通じてしか話が伝わってこないので、より深いことはわかりません。
ただ、この本にはその内容が細かく載っています。
監督はもちろんなのですが、長谷部選手、本田選手、遠藤選手など選手の心情やどのように考えているのかなどが垣間見えます。

感想

時系列に書かれているのですが、私もその時どのように感じていたのか思い出して読んでいました。

読む前から、ブラジルW杯で良い結果が出なかったことが既にわかっているのでその章を読むのは涙がでます。
それほど、この日本代表に感情移入をして、自分のことのように応援をしていたのだなぁと感じています。
この本を読むと、選手や監督がこのW杯に全てをかけて望んでいたのかがわかります。
そこまでしてもなお結果が出ない、努力が報われないというのはとても悲しいです。

コートジボワール戦は、素人の私が見ても試合序盤から何かおかしい雰囲気を感じていました。2006年のオーストラリア戦を見ているようでした。
色々と要因(雰囲気、コンディション)はあったのかも知れませんが、決して日本代表の普段のパフォーマンスが出ていればグループリーグは突破できていたと考えています。
この本に載っている選手たちの日本代表に対する「考え」や「心構え」があっても、良い結果を出すのはとても難しいことなのです。

ザッケローニ監督ではなかったですが、2010年のパラグアイ戦、アルゼンチン戦,2011年のアジアカップ優勝,8月の韓国戦,2012年10月のフランス戦,2013年、コンフェデレーションズカップのイタリア戦、東アジア選手権,オランダ戦・ベルギー戦。
これらの試合でザックジャパンにはいい夢を見させてもらいました。とても楽しい時間でした。
再度、この本を読んでその時の気持ちが沸き上がってきました。

選手選考でもメンバーを固定しているなど、よくマスコミに書かれていましたが、そのどのような選手に注目をしていたのかも載っているので今から見たらとても興味深いです。
見ている人はしっかりと見ているのだと感じました。

サッカーのことはもちろんなのですが、色々な考え方・心構えも勉強できるので、サッカーが好きな方はもちろん是非一度読んで見て欲しいです。

読書メモ

情熱がなければやっていけない。興味がわかないことを続けていても仕方ない。
何かをしたいと思うならリスクを冒さなくてはいけない。リスクを恐れることが1番よくないんだ。
ディティールにこだわれ。違いはそこから生まれる。
大事なのは自分が最善を尽くしているかということ。自分が全力で仕事に取り組めているのなら慌てなくていいし、後ろめたさも感じなくていい。全力でやっていたなら大丈夫だよ
私は今の仕事が好きだ。たとえサラリーが安かったとしても、全然やり続けられる。それは好きだからだ。せっかくの人生なのだから、自分のとことん打ち込める仕事についた方がいい。どの分野でもそうだと思うのだが、きちんと研究をして情報をたくさん収集しておいて、チャンスが来たと思ったら、リスクを背負ってでも前に進むべきなんだ。チャンスは誰にでも訪れる。その時に準備ができているかどうかだ。
結果だけを見るのではなく、ピッチ上で何が起こったのか、なぜ起こったのかを冷静に分析する必要がある。でなければそこから抜け出せない。
4年前、新しいことにチャレンジしようと、格上にも臆せず勇気を持って挑む日本代表にしようと考えて、このチームを作ってきた。
監督、ありがとう。残念やったけど、悔いはない。俺の調子が悪い時も良い時も、俺のことを本当に信用してくれて、悪い時にどうしたら良くなるか教えてくれたことは、今後の人生において凄く財産になる。4年間、監督のおかげて成長できて、そのゴールに向かう大切さとか、今まで自分が考えていなかったことを教えてくれて、気付かせてくれた。4年間、監督が使い続けてくれたから、そのおかげてミランへ移籍できた。
このチームが発足して、最初に話しに来たのも圭佑、最後も圭佑だった。すごいパーソナリティの持ち主。夢があって、夢を現実のものにすることに貪欲で素直。それが本田圭佑。
世界を驚かそう。
晴れている日は上を向いて歩くんだ。

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