アレックス・ファーガソン「人を動かす」を読んで

ゴールデンウィーク中、特に何もしていませんが、前から気になっていた「アレックス・ファーガソン 人を動かす」を読みました。 イングランドプレミアリーグの元マンチェスターUの監督であるアレックス・ファーガソン氏が書いた本で、自伝ではなく、経営学の本です。 監督なので特にリーダシップについて書かれてあるのですが、サッカー好きなので、特にそのような知識がなくても読むことができました。 興味がある分野の本だとスラスラ読めるので良いですね。

アレックス・ファーガソン 人を動かす

「目」「耳」

まわりをよく観察し、人の意見に耳を傾け、そして、人間を知るために読む。 自分の目を信じるべし。言うのは簡単だが、実行するのは容易ではない。人間の目は、驚くほど多くのバイアスと先入観の影響を受ける。そんなフィルターが何重にもかかっているせいで、何が「見える」か、厳密に言えば「見えたと思う」かが変わってくる。 私は長年にわたり、読書を通じて多くを学んできた。仕事とは関係のない本に興味をそそられるのだ。アメリカの歴史にも軍事史、政治史を問わず興味がある。

規律が「勝利」を約束する

勝利とは規律を一貫して守った者にのみもたらされる結果である。 超一流の選手ほど、自分自身と戦い、さらなる高みを目指すものだ。クリスティアーノロナウドベッカム、ネヴィル兄弟、カントナスコールズギグス、そしてルーニー。彼らは決まって居残り練習に顔をそろえていたのも、決して空前ではない。あれほどの選手だからこそ、もっとうまくなりたい、成長をしたいというあくなき探究心を抱くのだ。特にガリーは遅くとも9時半にはベットに入っていた。 自分の力に確信をもてない人は多い。自信は簡単に揺らぎ、風が吹けば飛んでいってしまいそうになる。確固たる自信、そして内に根ざした信念を持たずして、優れたリーダーになることはできない。

やる気

サッカーの監督をやっていると、選手を支えなければならない場面は次から次へとやって来る。 必要とされているという感覚は、クラブへの愛着を産み、奮起のための起爆剤になる。信頼をされていると感じれば「プラス5%のパフォーマンス」という形でクラブに報いようとするのだ。

評価

面接中はさまざまな点から、その者の真の姿を見ることができる。注目すべきはほんのささいなことだ。面接は一方通行のものであってはならない。問いかけにはその人物の考え方や経験値、人格の成熟度についてのヒントが隠されている。

集中専念する能力

ある分野で誰よりも上をいきたいと思っている人間が、他のことにかまけているとは思えない。同じくらいの才能を持つ2人の人間がいたとすれば、それぞれがその先どれだけ専念するかによって、どちらが最終的に成功を収めるかが決まる。そういう人は、自らの才能を磨き、組織を改善することに人一倍時間をかけることができる。 「ここで失敗をするわけにはいかない」この思いが私を突き動かしていた。屈辱への恐怖が常に胸にあり、「失敗」の2文字がいつも頭の片隅にあった。 不安につきまとわれるのも仕事とうちだと受け入れていたのだ。不安はサッカー人生を通してずっとついて回ったし、もし不安がすっかり消えるようなことがあれば、それはもはや私に監督の資格がないということを意味していた。

伝える力

チームミーティングで大事なことは、メンバーの目を見て話すことだ。そうすることにより、メッセージのなかに緊張感をもたせることができる。自分の考えに自信を持ってすべてを支配していれば、メモなど必要ないはずだ。

最後に

私自信、マンチェスターUに関しては特に好き嫌いなチームではなにのですが、ファーガソン氏が長年チームの監督をしていたことにはとても興味がありました。多くのタイトルを獲得しているのですが、この本を読むとマンチェスターUの強さがどのうように作られていたのかがよくわかりました。また監督業務がとても多岐にわたり色々なことをしなくてはいけないなど、サッカーを見る上でも、どのように監督がどのようなチーム作りをしているかがかいま見えるようになった気がします。昨今、監督の交代が頻繁に行われているので、その仕事がとてもむずかしいモノになっていると感じます。サッカーだけではなく人の上で仕事をするのはとても大変だなと改めて思いました。

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