「いいデザイナーは、見た目のよさから考えない」を読んで

今回は「いいデザイナーは、見ためのよさから考えない 」を読んでみました。 綺麗な画像やUIを作りたいと思っているのですが、それを作成するためにはデザインの知識が必要です。 その知識はどのようにして培っていけばよいのか?こういった疑問を解消するために読んでみました。

作者の有馬さんはかなり昔からTwitterでフォローをさせていただいて、とても綺麗なデザインを考えられている方ということで前から興味がありましたので、考え方などを知ることができてよかったです。

見た目の前に考える

グラフィックデザイナーは見た目で問題を解決することが使命です。メッセージを伝えるためには、まずは商品のコンセプトを知ること。対象のメッセージを理解することが第一なのです。

良いデザイン

僕の考える、良いデザインの条件のひとつは、長く使えるということです。丈夫であったり、無駄が少ないなど、長く使い続けられるデザインには必ず優れた点があります。

エンジニアとデザイナー

エンジニアとデザイナーが結びつくことで何ができるようになるかというと、安全で機能的な製品が作れるのがひとつ。もうひとつは世の中で求められている微細なニーズを拾い上げることができるようになることです

シンプルに気づく

デザインは最終的に、"見た目"をよくしていくものではありますが、それは美しいだけではありません。何らかの課題を解決する機能を持っています。そして多くの場合、良いデザインとは、課題や目的に対してシンプルに解決する存在なのです。

要素の削減 = シンプルではない

どこをシンプルにするかで、伝えられる情報も印象も変えることが出来るのです。"見た目"をシンプルに考えるためには、なにを見せたいのか、どの要素を際立たせたいのかを意識することが大事なのです。

感覚より論理

デザインの基本構造を支配しているのは"論理"です。デザインには「なんとなく」の"感覚"だけで決める部分はありません。 この文字はどうしてこの大きさなのか、なぜこの色なのかという全ての要素に理由があり、言葉で説明可能なはずなのです。 デザインは"論理"で組み立てますが、受け手は"感覚"で受け取ります。 達成する目標が同じでもアプローチが違います。論理で考え流れもアプローチは無数にあるのがデザインの面白いとこで、そのプロセスの選び方にことデザイナーのセンスが宿ります。

レイアウト

レイアウトはまず地図 = その本やウェブページにおけるフォーマットをつくることから始めます。フォーマットをつくるときは「近接」「整列」「反復」「コントラスト」の基本原則に沿って、見せたい情報をまとめるようにしましょう。 良いレイアウトの基本は、脳にコストをかけないことです。

フォント

僕の場合、まず使いたい欧文フォントを決めて、それに合うような日本語フォントを当てはめていくようにしています。 欧文書体を選ぶ時のポイントは、雰囲気や印象が目的にあっているのは前提として、小さい文字で読んでも、スクリーンに投影するほど大きくしてもきれいに見えるかどうかで、フォントとしての品質の良し悪しがわかります。

センス

センスとは観察能力のことなのです。物事を見て、何を感じるのか、ということです。あるいは"気づき"と言った方がわかりやすいのでしょうか? 気持ちよさであったり、面白さや、感覚的な印象かもしれません。 日常の中で、自分が不便に感じたことをリストアップするだけでも、非常に役立つということです。なぜなら、それらは全て大事な"気づき"であり、デザインをするにあたって感じ取るべき要素だからです。

一般性を失わない

整理整頓はデザインの基本です。 一人で絶対に決めないこと。必ず誰かに見てもらうようにしています。反応の良し悪しでなく、自分以外の意見を貰って見直すことが大切です。 情報の供給過多を避けることも意識的に行うと良いです。

感想

ゲームの話にはなるのですが、長く続いているゲームタイトルに関しては、新しい機能や要素を追加をしてユーザーを飽きさせないようにして長く遊んでもらう。こういったことが多いのではないでしょうか。 そのため、ゲームが発売された時に比べてUIは複雑化し、説明文が必要になり、またチュートリアル的なモノが組み込まれる。 シンプルだったはずなのに、新しく始めるユーザーには複雑怪奇にうつるゲームになってしまいます。

そのためにデザインが重要になってくるのです。 今はデザインには携わっていないので、意見を出せるときには出すのですが、勉強をしていないとその意見すらだせなくなります。

今回の本を読んで、自分はもっと論理的な部分を知らなくてはいけないと感じました。 結構、感覚的に考えてしまうことが多いので、自分は良くても他の人にとっては難しいデザインになってしまうこともあるので、このあたり論理に基いて説明ができれば、改善点や相手を納得させることができるのではないでしょうか? この辺り、本にも書かれているように色々な"気づき"をストックし、それを解決するためのデザインを考えられるようになれば、一段上に上がれるのではないかと思いました。

いいデザイナーは、見ためのよさから考えない (星海社新書)