【レポート】あにつく2016へ行ってきました

先週に秋葉原で行われてい「あにつく2016」へ行ってきました。

簡単ですが、レポートをまとめていきたいと思います。

あにつく - プリキュアEDにおけるUnity導入事例

一番聞きたかったセッションがこの東映アニメーションさんのセッションです。 Unityは現在自分がメインで使っているゲームエンジンで、今回はゲームではないのですが、アニメのEDを作成したとのことです。

こちらのEDの後半パートがUnityで作成されています。(宇宙のシーン)

導入例

・導入例 ・シェーダー開発 ・ワークフロー・パイプライン開発について

今回の「魔法つかいプリキュア」。 登壇者の3人の方は、Unityを初めて触って作成をした。

プリキュアにおけるエンディングCGとは

  • 視聴者が楽しめるダンスムービー
  • 東映アニメーションデジタル部の挑戦と発信の場、技術的な挑戦の場

後期エンディングの挑戦はUnityで作成すること。 前半パートはMayaで、後半の宇宙パートをUnityで作成した。

Unityの特徴

リアルタイミングでレンダリングができるので、作業をしながら修正ができる。 通常、後処理でAftereffectで行っている後工程作業が、ImageEffectを使えばこちらもリアルタイムにできる。

導入理由 リアルタイムの可能性を映像作品に

  • プレビュー画面
  • レンダリングの工程のコスト低減(時間、制作環境)、サーバが多い投資が必要、それが削減可能
  • 制作するスケジュールの圧縮、週替りのEDなどができる。話題の提供ができる(プリキュアは1年ものなので)
  • ED以外の媒体(VRなど)開発実験

開発の流れ

1、R&D(リサーチ&デベロップ) なるべく早い段階で、作品の工程を全部やってみる。 モデル作りかけのものを使う。テクスチャも荒い。 これから、クリアしなくては行けない問題点、クロリティアップには何が必要化の洗い出し。

2、課題のリストアップ 1を受けて課題をリストアップ。

  • 反射
  • キャラクターのライン
  • スケール対比
  • データ管理
  • Linnear&Gamma
  • 後処理、前処理

3、課題へのアプローチを決める 楽しめるダンスムービー(映像作品として結果を重視) 挑戦・発信の場、(Unityという過程を重視する)

4、作品設計 合成の処理は->Unityメイン ラインは -> MayaからAlembic Unityでもできることができたが、クオリティを担保すること、いつもと同じ方法で作成、 Linner or Gamma -> 絵を重視してLinner 反射 -> 他を優先して無し。

MayaからUnityへ

  1. コンバート
  2. Asset収集
  3. シーン構築
  4. ライティング処理
  5. エフェクト
  6. キャプチャ
  7. 合成をして仕上げ

Maya Unityの比較

目指す絵が違っているが、48倍くらいレンダリングの時間の差が変わってくる。

感想

スピード感があって作業がすすめる。すぐ完成した絵が見えるのが良い。

その他

Pencil+ 3+ for UnityがPSOFTで開発中。近日配布予定。

シェーダー開発

シェーダーはモデルの情報に色を付けるためのもの。 独自シェダーを書く。 単一のシェーダーで様々なマテリアル表現を作るのが目的。 なるべくシェーダーのみでルックを変更することが必要だった。

セル表現とシェーダー

どんな追加機能が必要か?

標準色、影色、2号影

落影、受け影 顔に落ちてほしくない部分に、白黒マスクでキャンセルする機能を作った。

輪郭線 線色、線幅、カメラの焦点距離に応じた太さのウェイトを設定可能に。 カメラの焦点距離を取得して、シェーダーで調整。

リムライト 強度や色だけでなくスクリーンと加算の設定ができ、発行のニュアンスも調整可能。 リム方向のオフセット(X,Y,Z) リムの影(シャドウ)部分でカットする機能 白黒マスクでリムをキャンセルする機能。 ランプテクスチャでフォールオフを自由にマッピング可能。

ハイライト フォールオフの設定などできる。

Y方向グラデーション オーバーレイ合成、グラデーション。

反射と屈折 反射ベクトル、屈折ベクとるを取得し、環境テクスチャマップで使う。

これらの機能を使えるシェーダーを作成した「ハッキネンスシェーダ」 シェーダーはこれ1枚で、色々なオブジェクトに使いまわしをして利用している。

フラグメントシェーダーで実装

基本の材料を取得し、それを使って、デザイナーが使いやすく、インスペクター上で調整できるようにした。

基本材料

  • モデルの法線
  • モデルのUV座標
  • 視点ベクトル
  • ライト方向のベクトル

追加材料

  • モデルのローカル座標
  • 反射ベクトル
  • 屈折ベクトル
  • カメラの焦点距離
  • その他

感想

絵を即座に確認できる。 パラメータを変化させると即座に反映され、ストレスフリー。 ゲームエンジンではシェダーのウェイトが高い。 手書きのテクスチャに依存せず、シェーダーによる表現のみでどれほどできるか。挑戦できる。 デザイナーがシェーダーを書く重要性。デザイナーの欲しい機能を本人で実装できる。 CG技術への理解がより深くなる。

ワークフロー・パイプライン開発について

ワークフロー・パイプライン開発について。テクニカル面について。 ・MayaからUnity ・SHOTGUNとの連携

MayaからUnity

アニメーションの持ってくる場合、通常のFBXで書き出すともっていけないモノが多い。 FBX特徴
  • ファイルサイズが小さい
  • デフォーマが限定される
デフォメーション エフェクト | Maya | Autodesk Knowledge Network

FBXではなくAlembicでUnityへ持っていく。 ファイルサイズが大きくなるが、デフォーマの制限がない。 今回はAlembicを使った。UnityとMarsとのImporterが公開されている。これを使った。 GitHub - unity3d-jp/AlembicImporter: alembic importer and exporter plugin / library

シェーダの適応 マテリアルをAlembicで持っていた者へ移植する。

カメラ カメラの変換、UnityJapan小林さんのスライドをそのまま参照。 Mayaカメラデータunityインストール

Scene構築にはSHOTGUN値用 1カットを1つのUnityプロジェクトを行わなくてはいけなかった。(従来) SHOTGUNで23分、使わないと40分。 シーン構築の時間が短縮された分短くなった。

感想

今回はゲームの話ではないので、個人として活かせることは余りないのかと感じました。 Unityのプロジェクトを開くだけで30分以上かかるのは大変ですね。ゲームでは考えられません。 それだけ、大きいサイズのAssetをたくさん使っているでしょう。 技術への挑戦の話は、私もやっていかなくてはと思います。 同じことを繰り返していても、現状維持のままなので、何か新しいことを常に取り入れて行く必要がありますね。

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あにつく - コンポジッターが描くエフェクト術

描く編

ブブキ・ブランキ 星の巨人」 キャラ、メカはフルCG、背景は手描きしている。 afftereffectで作業。 全カット何かしら手を入れている。 バトルものなので、エフェクトが大量に出る。 作画アニメに近いのでPASアニメーションやパーティクルだけでは、効果が薄い。 デジタルっぽくなる。

TVPaint animation11 (ソフト) ビットマップベースの2Dアニメーション制作用ソフトウェア 手書きアニメーションに特化し、ストリーボートから撮影まで行える。 これでエフェクトを加えていくことに。

とりあえず、何かしらのエフェクトを描いてみた。 枚数が少なく、ディティールが少ないものから「 火花」量をこなすしかない。

次に「 けむり」 線上の煙は3Dでは難しい。

「タタキ」編

今までの手法をCGに取り込む。 ガイナックスのものを取り入れてみよう。

サンジゲンはセルルックです。 バトルモノが多い。 セルルックであるがゆえ、エフェクトに物足りなさを感じる。CGとして。 不定形のものを作るのが、3Dは苦手。

透過光、タッチ、火花、破片、煙、タタキ、露出調整。 「タタキ」 もととなる素材をアナログ的にしたい。

素材はあるが、映像ありき。 Photoshopで作成をする。 ブラシツールとして登録して。 不規則なランダムなモノが作成できる。 同じ素材を色を変え、発行させたりして、使っている。

その場でかけるメリット 3Dっぽさcg質感の軽減 素材のパリエーションを作るのが容易

映像に対して、素材を作る感じでやらないとチープに見える場合がある。 絵作りにはアナログ素材の効果が大きい。 情報量の多さで映像を華やかにできる。

感想

エフェクトはアニメーション、ゲーム、ツールは違えども同じものです。 アニメーションでは後工程でエフェクトを上書きできるので、手間はかかりますが、その映像にあった演出ができます。 ゲームに関しては、リアルタイムで表示をさせないといけないので難しいです。 また、均一的なものしか作れないので、演出がよく似たものになってしまいます。 できれば、特別な演出を色々なところで盛り込みたいですね。

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あにつく - ラブライブサンシャイン CGセミナー

こちらのセッションは内容非公開とのことで、感想だけ書きます。

感想

ラブライブのダンスシーンはいかにも3Dで作成しているのがわかったのですが、「ラブライブサンシャイン」ではそのあたりかなり改善しているというか、手書きで書いているように見えるところもあり、技術がかなり進化しているのだと感じていました。 その表現を実現するために、中の人がの苦労が今回のセッションで聞けました。 特に大変だったのが、3Dモデル間の「めり込み」問題で、サンライズさんの目が厳しいので、とても時間がかかるとのこと。 このあたりからもクオリティを大事にしたい思いが伝わってきました。 後、作っている人がラブライブが本当に好きなんだなと感じました。 この作品愛が、どのコンテンツでもクオリティを上げるのに必要になってくるのだと思いました。

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