【ReVIEW】複数人でUnityの同人誌を書いた話

Unityの内容について書いた同人を書くことになりました。 三人がそれぞれの分野について書いた内容で、今月末のコミックマーケット93で配布予定です。 今回は、複数人で同人誌を書いた時に何をしたかをブログに書いてきたいと思います。

以前までの同人誌作成

過去2回コミケで同人誌を出しているのですがそのときはPhotoshopで原稿を作成していました。 理由は単純で、印刷会社のHPでDLできるテンプレートがPSDファイルだったからです。 特に疑問をもたず、そのままそのテンプレートを使っていました。

PSDファイルで入稿をするメリットは、凝ったデザインを作ることができることです。 Photoshopを使えば大抵のデザインができます。 逆にデメリットは、本文データを1つのPSDファイル毎に作らないといけないことです。ページ数が多くなると作業がとても大変です。 PSDを使う場合は、イラスト集など1ページ1ページがバラバラなデータ形式の時に使ったほうがよいですが、文章が多い技術書などは正直不向きだと思います。

過去の2回の話はこちらを参考に。

今回の本に関しても当初PSDで原稿を作る予定でしたが、急遽、複数人で作成することになったので、同人誌の原稿の作成環境を考えました。

ReVIEW

ネットで調べると同人誌作成に関して色々な情報が出てきます。 その中で、今回は ReVIEW を使うことにしました。

ReVIEWを選んだ理由は、GitHub上にテンプレートが公開されていたことが一番の理由です。 この同人誌は、こちらのテンプレートを元に作成をしています。 TechBooster/ReVIEW-Template: TechBoosterで利用しているRe:VIEWのテンプレート(B5/A5/電子書籍)を公開しています

そして、こちらの電子書籍も買って参考にしました。 技術書をかこう! ~はじめてのRe:VIEW~ 改訂版【C92新刊】 - TechBooster - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード)

ReVIEWで原稿を確認は少し慣れが必要なのですが、慣れてしまえば結構サクサク文章を書くことができました。

Atom

上記のReVIEWテンプレートで推奨されているエディタがAtomです。 今回は原稿作成のエディタとして利用しました。 Atom

専用のプラグインを入れれば、Review画面も見ることができます。

TEX

ReVIEWで書いたファイルをPDFに変換するときにTEXを使います。 正直TEX周りは、テンプレートの設定をほぼそのまま利用をしています。 Macを使っているのでMaxTexをインストールをして使いました。 MacTeX - TeX Users Group

MacTexのダウンロード時間がとても長いので注意をして下さい。

GitHub

チームで作業をするということで、GitHub上に専用のリポジトリを用意し、そこにお互いがマージしていく形で作業を行いました。 競合が起きないように、共通のファイルを更新する時にはお互いにコミュニケーションに気をつけたこともあり、大きな問題は起きませんでした。

Github c93

表紙

表紙に関しては前回と同じPhotoshopで作成しました。 が、締切が近く前回コミケで配布をした表紙データを流用しました。 本当なら、この辺りもう少し時間をかけて作りたかったです。

校正

今までは一人で同人誌を作成していたので、校正作業はしていなかったのですが(確認作業はしていました)、校正作業もお互い行いました。 PDFに書き出す際に、他の人の原稿を確認したり、また締切終盤には実際に印刷をした原稿にペンを入れて修正し合いました。 その結果、文章もコードも読みやすくなったと思います。

PullRequest

校正にはプルリクエストも使っています。 最終的にmasterブランチにマージする際には、お互いにチェックを行いました。

Slack

原稿作成に関する主なやりとりにはSlackを使いました。 普段から使っているツールだったので特に問題なく使えました。 画像の共有やエモーションが使えるのが便利です。

Slack

フォント問題

ReVIEWでBoldを指定してもPDF書き出し時に反映されない問題がありました。 回避策として、別のフォントを用意しました。 時間がなかったので、デフォルトのフォントの問題がTEX側の問題なのかわかりませんでしたが、今後使う際には注意が必要な気がします。

スケジュール

12/14を締め切りとして、12月に入ってから本格的に原稿を書き始めました。 ですので、最終的は良い内容になったのですが、それぞれ結構大変だった気がします。 11月上旬にコミケの当落がわかるので、そこから始められるよう、次回以降のスケジュールには気をつけたいと思います。

最後に

開発スタイルを変えたことで、原稿を書くスピードはかなり上がったと実感できました。 ReVIEWのテンプレートがとても使いやすかったということもあるのですが、複数人で書きあうことで、モチベーションの維持にも繋がっていたと思います。 環境の構築が難しかったのですが、今後はリポジトリを用意するだけ新しい同人誌がすぐに書ける状態ですので、来年以降、コミケに参加する機会に利用をしたいと思います。

宣伝

今回の内容を元に、コミックマーケット93にUnity本を出します。 内容は三章にわかれており、それぞれ「エフェクト」「エディタ拡張」「アルゴリズム」について書かれています。 次のURLで表紙と目次が確認できます。もし興味を持って頂けたなら、是非ブースにお越しください!

場所:1日目 東キ-11b albatrus