今回は、最近興味があって、色々な本を読んでいる人間の心理についての本です。 「なぜあの人はあやまちを認めないのか」というタイトル通り、人と人との行き違いについての本です。 警察や検事、国際問題、心理療法士など、具体的な事例で書かれているので、とてもわかりやすかったです。人間というものが少し見えました。
「なぜあの人はあやまちを認めないのか?」- メモ
他人を欺くための意識的な嘘、自分自身を欺くための無意識の自己正当化。
確証のバイアス、証拠が見つからないことさえ自説を支持する証拠だと考える。
私達は一度何かを決断すると、あらゆる手段を使ってそれを補強しようとする。決断が取り消せない場合は特に。
攻撃的行為が自己正当化を産み、自己正当化がさらなる攻撃性を生む。
自己正当化は高い自尊心を守るだけではない。低いなら低いなりの自尊心も、自己正当化で守られているのだ
正直のはずの人間に道徳観の羅針盤を失くさせるにはどうすればいいか?一歩、一歩づつ進ませることだ。あとは自己正当化が引き受けてくれる
脳が仕掛けてくる最高に巧妙なトリックの1つが、自分にだけは盲点などないという「うれしい」錯覚を本人に与えることだ。
ステレオタイプは壊せる可能性がある。ただ「偏見」となると、理屈でも経験でも反証でもこれを打ち崩せないことだ。
現在の生活がどんなにつまらなく味気のないものでも、苦難を乗り越えた輝かしい勝利の人生へと変えてしまいたいのだ。
危害を加えた側として感じたはずの嫌な気持ちを最少にし、被害者としての正当な感情を最大にするために、自己正当化がどれほど上手く働くか。
家庭内であれ、国際紛争であれ、「誰がはじめたのか」の意見を一度固めてしまうと、人はその意見と不協和を生じるような情報を受け入れにくくなる。どちらが加害者で、どちらが被害者であるを決めてしまうと、相手の立場になって考える能力が低下し、完全に失われたりする。
謙虚さ。人間の心がどれほど協和状態を求め、心情や決断や好みに疑念を起こさせる情報を拒否しようとするかが理解できれば、自分が間違いをおかすかもしれないという事実に心を開くことができる。
最後に
自己正当化は色々な場面で起こり、それを気づかない場合がほとんどです。 どれも自分の都合の良い解釈となります。 他人に迷惑をかけない自己正当化もありますので、すべてが悪いというわけではありません。
今の社会情勢のすれ違いは、ほとんごがこの自己正当化から成り立っており解決するのがとてもむずかしいと感じます。 否定されること、非を認めることを素直に受け取ることは、とても抵抗のあるからです。 私も、失敗したくないし、否定されたくないです。自分には価値がないかと感じてしまうからです。
この本を読んで、人間の心理状態がとてもよくわかりました。 自分の考えを客観的に見るようにして、物事を考えいけるように心がけたいです。
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