【レポート】東京ゲームショウ2014 基調講演を見に行ってきました。

東京ゲームショウ1日目に行われました「基調講演」に参加をしてきましたので、そのレポートを書いていきたいと思います。

基調講演1- 多角化するゲームプラットフォーム グローバル化するゲーム = 成功の道筋

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【登壇者】

2014年を振り返り、2015年はどうなるのか?

エイリム高橋氏:動画。ゲーム実況や広告。プロモーションの観点でも重要になっている。

コロプラ馬場氏:驚いた出来事はソフトバンクがスーパーセルを買収したこと。キャリアの通信制限が今後のゲームの鍵になる。「白猫プロジェクト」を自分で遊んでいた時に通信制限に引っかかった経験から。

セガ里見氏:スマートフォンゲームのお陰で、ゲーム業界の話題が久々に日本中心に戻ってきた。王者パズドラの陥落。

バンナム浅沼氏:アプリ課金が日本が北米市場を抜いた。ダウンロード数は北米が多いが、課金率は日本の方が多い。中国でのモバイルビズネスの加速。日本には優れたIPが多いのでそれを利用してどのようにして活用していくか。

King Dele氏:スマートフォンタブレットの普及でゲーム人口が増えている。特に今まではゲームをしてこなかった高齢者の方が利用し始めている。

どのようにグローバル化していくか

King Dele氏:国ごとにマーケティングのやり方を変えている。 例:日本:自社、韓国:カカオと提携。 日本市場はとても重要。開発者もソニックなどの日本のゲームを遊んで育ってきた。現在、KingのアプリはDL数総合5位に位置にいる。プローモーションに関して、最初は欧米で包装されているCMを流したのだが、余り結果が出なかった。そこで新たに日本向けの広告を作成したところ、良い反応を得ることができた。

エイリム高橋氏:親会社のGumiの海外拠点から配信をしている。「アジアファースト」としてまずは、韓国・中国・台湾へと展開。その後北米へ。この流れはコンテンツによって違う。ただ、まず最初は日本市場で売れるものを目指して作成している。ゲームのローカライズだけでなくゲーム文化にいかに合わせられるかが重要ではないか。

コロプラ馬場氏:ローカライズ・カルチャライズが難しい。とくにマーケティングやプロモーション。ただ、日本版しかない「白猫プロジェクト」が台湾・香港で結構ダウンロードされているので、売上も上がっている。工夫をすればいけるのではないかと思っている。

セガ里見氏:スマートフォン市場は「先進国」から「新興国」への流れではなく、同時並行的に成長をしている。また、配信も非常に簡単。世界で同時に当たるタイトルが生まれてきている。

世界のアプリランキングを見て

スライドで「日本」「北米」「フランス」「インドネシア」の売上ランキングが写し出される。 「日本」のランキング以外では、日本製のアプリが入っていない。

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King Dele氏:日本へのアプローチについて。マネタイズだけを追っていない。とにかくオーディエンス掴んで、その後にマネタイズをしていく。

バンナム浅沼氏:日本市場は独自のランキングになっている。世界で余りランキングされていないのは、今後ランクインする余地があるということ。

セガ里見氏:日本のアプリは「イベントドリブン(コラボやガチャ)]があるので、ランキングの順位は変わってくるだろう。言い訳ではないが、ここでは出ていない韓国・台湾では「チェインクロニクル」はランキングには入っている。北米市場にはGumiをパブリッシャとして参入予定。目標はグローバルでTOP3に入れるように。

King Dele氏:海外へ展開する際に、ソーシャルネットワークFacebook)が大きな役割を果たしている。

コロプラ馬場氏:海外ではシンプルで競争ができる要素のあるゲームがうけている。コロプラでも今7本ぐらい開発をしているが2本ほどはそのような点を意識して作成している。また、今評価されているアプリを見ながら作成している。世界シェアに関しては、まずは日本で1番強い企業を目指した上で、4割~5割にしていきたい。

セガ里見氏:現在、各国市場にはゲームの嗜好に差がないので、世界ヒットを生み出せるチャンスがある。ブレイブフロンティアに関しては北米拠点では「こんなJRPG」が受けるわけないと言われていたが、結果として北米でも受け入れたれている。今までの常識が通用しなくなっている。

エイリム高橋氏:日本・中国・韓国・台湾ではランキングがぜんぜん違う。ここに出ている北米・フランス・フィリピンは似通ったランキングになっている。どの言語に対応するとどれだけの地域にだせるかが違う。どの言語をローカライズするかが重要になってくる。

海外への課題

King Dele氏:「キャンディクラッシュ」に関しては日本市場でたくさんの失敗を繰り返しきた。例えば、翻訳が悪かったり、CMが良くなかったり。そこで日本のチームを作って、プロモーションを任さして行ったことで成功をおさめることができた。

エイリム高橋氏:プロモーションが難しい。facebookの「いいね」の桁が海外のアプリとぜんぜん違う。ゲーム的意訳が上手くいかないと売れない。

バンナム浅沼氏:日本で運営したほうがいいのか。日本と海外(現地)で運営をした方がいいのか。海外(現地)で運営したほうがいいのか。どれが一番いいのかをコンテンツごとに研究をしている。とても難しい。

セガ里見氏:日本は日本向け。現地は現地向けでまずしっかりとしたコンテンツを作る。その上で、ローカライズやカルチャライズを各拠点やパブリッシャーと協業をしたりと色々なやり方をしてノウハウを貯めている。

コロプラ馬場氏:大事な点は3点「カルチャライズ(ローカライズではない)」「面白いゲームを作る」「マーケティング」。自己採点は3点。まだまだ改善ができる余地がある。

2015年に向け

コロプラ馬場氏:3点を30点にしていきたい。事業は長く続いていくので、継続的に良くしていくようにしていきたい。日本市場もまだ全然。面白い新作を出していきたい。後動画はとても大事。

King Dele氏:2015年も素晴らしいゲームを作っていく。また、本日(18日)に新しいアプリ(ペットレスキュー)が出て、アイテムに課金しなくても楽しく遊べる。私もとても大好きなゲームです。

バンナム浅沼氏:中国にDeNAと「ワンピース」を出していきます。また、ゲーム以外の事業(コンシュマー、アミューズメント、玩具)と一緒に総合的に展開ができないかと考えている。

エイリム高橋氏:まずは「ブレイブフロンティア」をより良くしていきたい。そして新しいプロジェクトを年内に発表していきます。大きい企業でないので話題性を出していきたい。

セガ里見氏:グローバルTOP3と目指す。そうするとグロスで1000億円を売上が必要。市場の拡大でこのハードルはドンドン上がっているが、まずは1000億円。スマートフォンゲームでようやく日本企業の逆襲ができる。日本初のタイトルが世界を席巻していかないといけない。

基調講演2- Googleが切り開く新しいゲームの世界

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【登壇者】

  • Chris Yerga氏 Google Regional Director, Google Play Asia-Pacific & Engineering Director

GooglePlay

100万以上のアプリケーションあり、500億のアプリがダウンロードされている。 シンプルなカジュアルゲームからMMORPGまで幅広いジャンルがある。 スマートフォンだけではなくタブレット、ウェアブル、TVに対応。AndroidTVを利用すればテレビで大迫力のゲームができる。

ビジネスチャンス

1年間で50億$の収益をデベロッパー(開発者)に支払っている。この数字は前年比2.5倍。 グローバル展開が可能。収益トップの上位30社の内5社がアジアの会社。

開発 販売 マネタイズ

Googleでは、3つの分野においてデベロッパーを支援しています。

開発

AndoridOSとデバイスに最高レベルの技術を入れている。UnrealEngineなど。

販売支援

デベロッパーコンソールの提供。クラッシュレポート、ランキングの推移。国・OSの種類・言語による分析など。 翻訳のエージェンシーの紹介。 GooglePlayGamesクラウドセーブやランキング、ソーシャル機能があり、アクティブ率を上げるのに貢献をすることができる。さらに新機能として「近距離通信機能」を開発中。 AdMob。広告・解析・プロモーションを支援。 GoogleCloudプラットフォーム。テスト、デプロイ、インフラなどの各種環境を用意できる。

マネタイズ

GooglePlayを通じで130カ国でアプリの販売ができる。 お金の支払にはクレジット決済や電話料金と一緒に請求、ギフトカードなど色々な課金手段を用意。 アプリに課金や月額課金など支払い方法も様々。

Mixi - 森田氏

ここで特別ゲストのmixi社長の森田氏の登場。

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モンスト」の開発にあたって大切にしたことが以下の2点。

  • Face to Faceのコミュニケーションが取れること
  • シンプルなシステム(ひっぱる)

プロモーション

その他

GooglePlayGamesのクラウドセーブを利用している。実はこれはIOSでも使えるので非常に便利。 売上はGooglePlayの方が多い。

海外展開

最初に「台湾」へ進出をした理由。

  • 日本のカルチャーが受け入れやすい
  • 市場の成長・規模・大きさなどが自分たちの身の丈にあっていた

課題は「マルチプレイの訴求」 TVCMやYoutubeを利用しているが、マルチプレイが余り広まっていない。

パブリッシャーを使わずに自社で行った理由

  • 細かな運営ができる
  • 自社でしかないノウハウがある

今後は10月中に北米市場、12月には韓国に展開をする予定。 現地のユーザーに合わせてローカライズ・カルチャライズをしていくが、これは実際に出していかないと分からに部分が多い。

最後に

私個人としては、海外展開については日本でヒットしていないのですぐに実行する部分は少なかったですが、アプリを作成する上での考え方なの色々と勉強になりました。 その中で「コミュニケーション」というモノが、ヒットするゲームには必要なのではないかと思いました。 これは、色々とやり方があると思います。 ソーシャルゲームでは、「フレンド機能」や「協力プレイ」などがよく利用されています。 この辺り技術的に難しい面があると思うので、実装にはとても時間がかかりそうです。

個人開発者としてできることは、「ランキング」や、ソーシャル機能を上手く利用して、常にTwitterやLINEなどに投稿をして楽しめるようにすることが、この「コミュニケーション」に繋がるのではないかと思います。 最近大ヒットしているアプリ「おじぽっくる」も上手くソーシャルネットワークを利用されていますね。

私自身まだこのソーシャルメディアを上手く活用できていないと感じているので、このあたりの仕組みをゲームを作る以外でも考えていきたいと思います。

東京ゲームショウ[国際アジア・ゲーム・ビジネス・サミット]のレポートはこちら】

その他、参考記事 【TGS 2014】基調講演第1部・ゲームシーンの“いま”をリードする面々がグローバルビジネス成功への道筋を語る [ファミ通app] [TGS 2014]驚きのゲストも登壇! 東京ゲームショウ2014基調講演 第2部「Googleが切り開く新しいゲームの世界」レポート - 4Gamer.net

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